多治見が日本一暑い町として知られるようになって、東濃といえば夏の暑さ、という印象を持つ人も多いと思います。2007年に記録された40.9℃は、たしかにこの土地の顔のひとつです。
けれど、ここに何年か暮らした人なら知っています。この土地は、冬もまた、しんと冷える。海から遠い内陸の盆地は、夏に熱をためこむのと同じ地形の理由で、冬は底のほうから冷えていきます。夏と冬、二つの顔をもつ土地。今日は、その冬の顔に向き合ってみます。
晴れた朝ほど、冷えるという不思議
冬の東濃で「今朝は冷えたね」という日は、たいてい前の夜がよく晴れています。
雲は、地面の熱をとどめてくれる布団のようなもの。その布団がない晴れた夜は、地面の熱がどんどん空へ逃げていって、朝方には空気よりも地面のほうが冷えきってしまいます。これが放射冷却と呼ばれる冷え方で、盆地ではとくに強く効くと言われます。
だから、冬の外まわりを考えるときは、昼のあたたかさよりも、朝いちばんの冷えこみを思い浮かべておくと、備えの見当がつけやすいように思います。
霜柱で土が持ち上がるのは、なぜ?
冷えこんだ朝に庭の土がふわっと浮いて見えるのは、土の中の水分が凍り、氷の柱になって地面を下から持ち上げるからです。あれが霜柱です。足でそっと踏むと、じゃりっと崩れる。
これがくりかえされると、地面の表面が少しずつ動くことがあります。敷いたばかりの砂利や、飛び石まわりの土が、冬を越すうちになんとなく落ち着かなくなる——その背景に、霜柱の力が働いていることもあるようです。
大ごとに構える話ではありません。ただ、冬に土がこういう動き方をする土地なのだと知っておくと、春先に「あれ、少しずれたかな」と気づいたときも、あわてずにすみます。
立水栓や散水栓は、凍る?
外に出ている立水栓や散水栓は、強く冷えこんだ夜に凍ることがあります。中に残った水が凍ると、押し広げる力で蛇口や配管を傷めてしまうこともあるので、凍る前のひと手間が効いてきます。冬の外まわりで、いちばん身近な困りごとかもしれません。とくに冷えこみそうな夜は、少しだけ水を抜いておいたり、カバーや布を巻いてやわらげたり——そうしたひと手間の備えがあると聞きます。どんな備えが向くかは水栓の形や場所によっても変わるので、気になるときは施工した先に一度たずねてみるのがよいのかもしれません。
床が、冬に傷むということ
コンクリートやタイルの床にも、冬ならではの現象があります。凍害と呼ばれるものです。
素材のこまかいすき間にしみこんだ水が、夜に凍って膨らみ、昼にとける。この凍ってとけてをくりかえすうちに、表面が少しずつ傷んだり、はがれたりすることがあります。何年もかけて、ゆっくり進む現象です。
これも、こわがる話というより、知っておく話です。水はけのいい仕上げや、凍害に強いとされる素材があること。床を選ぶときに、夏の照り返しだけでなく、冬のこの現象も頭の片隅に置いておくと、選び方に厚みが出るように思います。
朝日の道を、知っておく
同じ庭でも、冬の凍り方は場所によってずいぶん違います。
朝日がまっすぐ当たる場所は、日が昇れば霜がすっととけていきます。けれど、建物の北側や塀の陰になる場所は、昼を過ぎても地面が凍ったまま、ということもめずらしくありません。
玄関までのアプローチや、よく通る動線が一日じゅう日陰になる場所だと、凍った朝は足元が心配になります。どこに朝日が差して、どこが日陰のまま残るのか。その「朝日の道」を知っておくだけでも、歩く場所をどう仕上げるか、どこを日の当たる側へ寄せるか、考えるてがかりになります。
冬の庭に、緑を残す
冬は、庭がいちばんさびしく見える季節です。落葉樹が葉を落とし、草花も枯れて、庭が茶色一色になる。
そこに常緑の木や低木が一本二本あると、寒い時期でも庭に緑がとどまって、朝の景色が少しやわらぎます。夏に葉を茂らせて日をさえぎる落葉樹と、冬にも緑を残してくれる常緑樹。役割の違う木を組み合わせておくと、庭は一年を通じて表情を保ってくれます。
冬の備えというと、身構えてしまうかもしれません。でも、水まわりにひと手間かけ、朝日の道を知り、冬にも緑を一本残しておく。そうしておくと、冷えこんだ冬の朝が、少しだけ気楽になります。夏の暑さと、冬の底冷え。二つの顔と付き合っていくのが、この土地で暮らすということなのだと思います。
よくある質問
立水栓の凍結は、どう防げばいいですか?
強く冷えこみそうな夜は、中に残った水を少し抜いておいたり、カバーや布を巻いて冷えをやわらげたり——そうしたひと手間が備えになると聞きます。水が凍ると押し広げる力で蛇口や配管を傷めてしまうことがあるので、凍る前のひと手間が効いてきます。どんな備えが向くかは水栓の形や置き場所でも変わるので、気になるときは施工した先に一度たずねてみるのがよいのかもしれません。
霜柱が立つと、庭に何か起きますか?
土の中の水分が凍って氷の柱になり、地面を下から持ち上げるのが霜柱です。これがくりかえされると、敷いたばかりの砂利や飛び石まわりの土が、冬を越すうちに少し落ち着かなくなることがあります。大ごとに構える話ではありませんが、そういう動き方をする土地なのだと知っておくと、春先に気づいたときもあわてずにすみます。
冬にコンクリートやタイルが傷むのは、なぜですか?
素材のこまかいすき間にしみこんだ水が、夜に凍って膨らみ、昼にとける。この凍ってとけてをくりかえすうちに、表面が少しずつ傷んだりはがれたりすることがあります。凍害と呼ばれる、何年もかけてゆっくり進む現象です。水はけのいい仕上げや、凍害に強いとされる素材もあるので、床を選ぶときに夏の照り返しとあわせて頭の片隅に置いておけると、選び方に厚みが出ると思います。