東濃の暮らし

落ち葉の行き先——秋の庭で、水が止まるところ

山を背にした東濃の秋の庭と、散り敷く落ち葉(イメージ)

土岐、多治見、瑞浪、恵那、中津川。東濃のまちは山にぐるりと抱かれていて、家のうしろにすぐ雑木林、という土地が少なくありません。春から夏はその緑が日ざしをやわらげてくれますが、十一月ごろになると、こんどはその木々が、いっせいに葉を落としはじめます。

平場のまちより、落ち葉の量が段違い。これは山際に暮らす東濃の、秋の風物詩のようなものかもしれません。そしてこの落ち葉が、じつは庭の水はけと、静かに関わってきます。「まとまった雨のあと、庭に水たまりが残るようになった」「側溝の水が、前より引きにくい気がする」——そんなことを感じはじめるのが、ちょうどこの季節です。今日は、秋の庭で水が止まる場所と、そこへ年に一度手を入れておくと気楽になる、というお話をしてみたいと思います。

山を背にした東濃の秋の庭と、散り敷く落ち葉(イメージ)

庭に水たまりができるのは、土のせい?

先に結論めいたことを言うと、秋にできる水たまりは、土そのものよりも、落ち葉が排水口をふさいでいることのほうが多いように思います。

もちろん、東濃の庭には粘土質で水がしみこみにくい、という土地の性質もあります。そのあたりは「陶器のまちの土」の話でもふれました。けれど、夏まではすっと水が引いていたのに、秋になって急に水たまりが残るようになった——そういうときは、土の性質が変わったわけではありません。落ちた葉が雨で流されて、水の出口に集まり、ふさいでしまっていることが多いのです。

水は、いつもどおり低いところへ流れていきます。ただ、その先の出口——雨水枡や側溝のふたのすき間——が落ち葉でふさがれていると、行き場をなくした水が、その手前でたまる。「庭 水たまり 対策」と調べたくなるようなあの水たまりの、かなりの部分は、ここが原因だったりします。

だから、土を入れ替えるような大ごとの前に、まず水の出口に葉がたまっていないか、のぞいてみる。それだけで、するりと解決してしまうことが、けっこうあるように思います。

雨水枡や側溝は、いま、どうなってる?

ふだん見ることのない場所ですが、この季節に一度のぞいておくと安心です。

雨水枡(うすいます)は、庭や駐車場に置かれた四角いふたのことです。地面に降った雨を、いったんここへ集めて、地中の管へ流していく受け皿のような設備です。ふたを開けると、下は小さな箱のようになっていて、底のほうに土や砂がたまる仕組みになっているものが多いです。

落ち葉がたまった雨水枡のふた(イメージ)

秋になると、この枡の中や、ふたのすき間に、落ち葉がたまってきます。はじめは数枚でも、雨のたびに流れてきて、湿って、重なって、やがて水の通り道をふさいでしまう。側溝も同じで、山際の家では、細い溝が落ち葉でいっぱいになって、水が地面の上をつたって流れていた、ということがあります。

こわい設備ではありません。ふたを開けて中をのぞけば、いま何がたまっているか、目で見てわかります。葉っぱが浮かんでいるのか、底に泥が沈んでいるのか。まずは「どうなっているか」を知るだけで、次にどうすればいいかが見えてきます。

いつ、何を見ておけばいい?

いちばんいいのは、落ち葉がひととおり落ちきったころ——東濃なら十一月の終わりから十二月のはじめあたり、年に一度で十分だと思います。

落ち葉と、掃除の道具(イメージ)

やることも、大げさなものではありません。軍手をはめて、雨水枡のふたを持ち上げる。(重いふたもあるので、指をはさまないよう、ゆっくりと。)中にたまった葉や、浮いているごみを、手やちりとりですくい上げる。側溝のふたのすき間に葉が挟まっていたら、それも取りのぞいておく。道具は、軍手と、小さなちりとりか火ばさみ、ごみ袋があれば足ります。

葉をすくったら、ふたを元どおりに戻して、おしまいです。底の泥までていねいに、と気負う必要もありません。水の通り道をふさいでいる葉を、いちど手ですくっておく。その程度のことで、秋から冬にかけての水はけが、ずいぶん落ち着きます。

年に一度、落ち葉の季節に手を入れておく。それだけで、大雨のたびに気をもむことが減って、気楽になるように思います。

水があふれると、庭はどうなる?

脅かすような話はしたくないのですが、静かにふれておきます。

出口がふさがれたまま雨が続くと、行き場をなくした水は、庭の低いところや、土間のはしにたまっていきます。水たまりが長く残ると、土がやわらかくぬかるんで、歩くと靴が汚れたり、花壇の根もとに水が居すわったりします。ずっと水がたまり続ける場所では、植えた草花が元気をなくすこともあるようです。

とはいえ、これは「落ち葉が出口をふさいでいた」というだけの、ほどける結び目のような話です。たまった葉をすくって水の道が通れば、水はまたいつもどおり引いていきます。だから、あわてて大きな工事を考える前に、まずはふたを開けて、出口を見てあげる。そこがふさがっていないかを、秋に一度たしかめておく。それが、いちばん手前にある、いちばん気楽な備えなのだと思います。

落ち葉と、うまく付き合う

山を背にして暮らすということは、たくさんの緑と、たくさんの落ち葉を、いっしょに引き受けるということでもあります。

秋の落ち葉は、厄介ものというより、季節のたよりのようなもの。それが水の出口に集まる前に、年に一度、手ですくっておく。雨水枡のふたを開けて、中をのぞく習わしをひとつ持っておく。そうしておくと、山際の家でも、雨の日や大雨の季節が、ずいぶん落ち着きます。

東濃の庭には、東濃の庭なりの、秋の手入れがあるように思います。落ち葉の行き先を、いちど気にかけてあげる。それだけで、この土地で長く気持ちよく暮らしていけるように思います。

よくある質問

庭に水たまりができるのは、水はけの悪い土のせいですか?

土の性質もありますが、秋にできる水たまりは、落ち葉が排水口をふさいでいることのほうが多いように思います。夏まではすっと水が引いていたのに、秋になって急に水たまりが残るようになった——そういうときは、土が変わったのではなく、落ちた葉が雨水枡や側溝の出口に集まって、水の通り道をふさいでいることが多いです。まず水の出口に葉がたまっていないか、のぞいてみると、するりと解決することがあります。

雨水枡が詰まったようです。どうすればいいですか?

軍手をはめて、ふたをゆっくり持ち上げてみてください。中や、ふたのすき間に落ち葉がたまっていたら、手やちりとりですくい上げて、ごみ袋へ。底の泥まで気負ってきれいにする必要はなく、水の通り道をふさいでいる葉を取りのぞくだけで、水はけがずいぶん落ち着きます。重いふたもあるので、指をはさまないよう、ゆっくり開け閉めしてもらえたらと思います。

落ち葉の掃除は、いつやっておくといいですか?

落ち葉がひととおり落ちきったころ——東濃なら十一月の終わりから十二月のはじめあたり、年に一度で十分だと思います。この時期に雨水枡のふたを開けて中をのぞき、たまった葉をすくって、側溝のすき間の葉も取りのぞいておく。それだけで、秋から冬の大雨のたびに気をもむことが減って、気楽になるように思います。